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各国の研究者のたゆまぬ努力が詰まった内視鏡の歴史

現在のように検査・治療に内視鏡が用いられるようになったのは、先人たちのたゆまぬ研究と開発にかける情熱があったからこそです。そんな内視鏡の歴史を知ることで、内視鏡に対する印象が変わってくるかもしれません。そこで今回は、内視鏡のこれまでの軌跡を書いていきたいと思います。

内視鏡の歴史は古く、日本の江戸時代にあたる1804年にドイツで内視鏡の先駆けとなる導光器と呼ばれる機器が開発されました。凹面鏡でロウソクの灯りを反射させた導光器に金属の棒を接続したもので、尿道や直腸の中を観察することができました。その後、1853年にフランスで「endoscope(内視鏡)」が開発されました。これで膀胱、尿道の中を観察することができました。

ドイツで初めて胃の中を観察できる胃鏡と呼ばれる器具ができたのは1868年のことです。曲げることのできないまっすぐな金属管が用いられていたので実用的ではなく、剣を飲み込める大道芸人によって試験されました。そしてその後、1932年にドイツで軟性胃鏡が開発されます。器具の管が曲がる仕様になり、管の内部にレンズを付けて豆電球で照らすことで胃の内部を見ることができました。それでも患者の苦痛が大きく、リスクの大きな器具でした。

現在のような胃の内部を詳細に見ることができるカメラつきの内視鏡が製造されたのは日本です。開発された当初は故障が多く、実用化するまでには相当の時間を要しました。そんな中、1956年にカラー撮影の胃カメラが実用化されることになります。各国の研究者の知識と努力のおかげで、今の内視鏡が完成しているのです。