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医療技術の進歩がわかる!内視鏡の移り変わり

現代は内視鏡をつかった医療が当たり前にあります。そんな中、内視鏡ではなく「胃カメラ」という言葉を聞いた事がある人もいると思います。文字通り胃カメラは胃の中の検査を行うために1970年代まで使われていた小型スチールカメラが搭載されたものを言います。当時は、リアルタイムで中を見る事はできませんでしたが、写真を撮って現像して粘膜や腸の中を確認していました。今でも医師は、患者へ説明をする時に「胃カメラ」という言葉を使いますがそうした過去の内視鏡の在り方が由来となっているようです。

光ファイバーが開発されてから、胃カメラから内視鏡になり、現在はカプセル型内視鏡というものが開発されています。これは、ビタミン剤よりも少し大きいカプセルを飲み込み、水とともに腸に届いた所で撮影を遠隔で行うものです。これなら、管が食道や腸管の壁に当たって損傷する心配が無く、気持ち悪い感覚とも無縁でいられます。

ただ、まだ適用している患者は少ないのが現状です。その要因の一つとして、カプセルは自然に排泄される仕組みになっていますが、それを促すために下剤を大量に飲む必要がある点が挙げられます。さらに機械も開発途中であるため、カプセル型内視鏡を行うなら、通常と比べて3倍ほど高額の費用がかかると言われています。

内視鏡ではカメラの撮影だけではなく、検体と呼ばれる粘液や組織を削るための内視鏡もあります。先端に付属部分を用途に応じて器具を取り換えて使います。検体はこすりつけるように採取するものもあれば、吸引することもあります。さらに止血をしたり、針で穴をあけるなどの作業を行うことも可能です。内視鏡の技術が発達し、機械が便利になっても、それを使いこなす人の技量が大きく影響する治療法だと言えます。